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無電解ニッケルメッキは膜厚が重要!めっき会社のEBINAXが解説

技術コラム #11

無電解ニッケルメッキの膜厚について解説します

無電解ニッケルメッキの膜厚は、製品の耐久性に深く関わってくるため、膜厚の知識はとても重要なポイントです。

今回のコラムでは無電解ニッケルメッキをテーマに、概要(特徴など)や種類、電気ニッケルめっきとの違い、そして膜厚について解説します。

そして弊社、EBINAX株式会社についてもご紹介しますので、モノ作りのご参考に是非ご覧ください。

無電解ニッケルめっき>>

 

無電解ニッケルメッキとは

無電解ニッケルメッキとは一体何か、ご存知でしょうか。

めっきについて知ることは、製品や部品の耐久性に深く関わってくるので非常に重要です。

めっきは大きく湿式と乾式の2つの種類に分けられます。

無電解ニッケルメッキ 膜厚

【湿式めっき】
金属が溶けた溶液中で皮膜を成膜する方法。主に電気めっきと無電解めっきの2種があります。
【乾式めっき】
気体中、または真空中に蒸発した金属を素材の表面に吸着させる方法。

無電解ニッケルメッキは、湿式めっきに分類されます。

ここでは無電解ニッケルメッキはそもそもどのような技術なのか、概要や特徴、種類、電気めっきとの違いについて、基本情報をご紹介します。

 

【特徴】膜厚が均一!精密機器や複雑形状に最適なめっき

無電解ニッケルメッキは、めっき液中で起こる還元反応によってめっきの皮膜を生成する方法(無電解めっき)で、化学ニッケルめっきとも呼ばれています。

電気を使わずにめっきをするため、以下の特長(メリット)があります。

・耐摩耗性、硬度、耐食性、耐熱性に優れている
・膜厚が均一(電気めっきに比べて)
・樹脂などの非金属(不導体、絶縁体)にも直接めっきできる
(電気めっきの下地としても使用できる)

処理後の膜厚が均一なため、寸法精度を維持する事が可能で、精密機器や複雑な形状の部品や製品、美しい仕上がりを求める場合に無電解ニッケルメッキは適していると言えます。

無電解ニッケルメッキ 膜厚

均一なニッケル膜厚は無電解ニッケルメッキの大きな特徴のひとつと言えるでしょう。

皮膜の硬度について、通常のめっき処理でも充分な硬度がありますが、ベーキング処理(熱処理)を行うことで更に硬度や密着性を向上し、水素脆性を除去します。

※ベーキング処理は必ず行うわけではありませんが、製品の用途や使用条件、寿命を考慮し、必要性がある場合にはご提案いたします。

 

無電解ニッケルメッキの用途

無電解ニッケルメッキは、電気を使わないため、複雑な形状であっても均一に成膜できる利点があります。

また、無電解ニッケルメッキを施すことによって、耐摩耗性、耐食性、はんだ付け性の向上など高い機能を付与する事が可能となるので、様々な分野で活用されています。

実際に半導体製造装置、工業機械部品、自動車部品、電子部品、医療機器・部品、バルプ、パイプなど、幅広い分野や用途で使用されています。

無電解ニッケルメッキ 膜厚

無電解ニッケルメッキの種類

無電解ニッケルメッキは、還元剤の種類と条件によって以下の2つに分類されます。

・無電解ニッケル-リンめっき
・無電解ニッケル-ホウ素めっき

無電解ニッケル-リンめっきは、皮膜中のリンが含まれている量によって「低リン」「中リン」「高リン」の3つのタイプがあり、それぞれに特色があります。

一方、無電解ニッケル-ホウ素メッキは、ホウ素含有率が0.2~1.0%のものを指し、はんだ付け性や硬度が優れている特徴があります。

以下のページで無電解ニッケルメッキの種類について詳しく解説しています。是非こちらもご覧ください。

無電解ニッケルめっきには、どの様な種類がありますか?

 

電気ニッケルメッキとの違い

湿式めっきには2種類あることを冒頭でご紹介しました。

無電解ニッケルメッキの他にもうひとつ、電気ニッケルめっき(電解ニッケルめっき)がありますが、この二つの違いは何かご存知でしょうか。

無電解ニッケルメッキ 膜厚

電気ニッケルメッキ、無電解ニッケルメッキは、両方ともめっき液を使って行われます。

この2種類の方法の違いをまとめると、以下の点が挙げられます。

・電気エネルギーを使うかどうか
・膜厚の均一さ(複雑な形状でもめっきできる)
・被めっき物が限定されるかどうか

電気を使わずに還元反応を利用してめっき皮膜をつくる無電解ニッケルメッキに対し、電気メッキは電気エネルギーを使って皮膜を成膜します。

電気めっきは電気量によって膜厚が変わるので、製品の形状や接点の取り方によって電流密度が変わり、膜厚のバラつきが生じやすい一面もあります。

また、電気を流して表面処理を施すため、対象物のめっき面は金属やカーボンなど導体である必要があります。(無電解めっき膜の上に成膜させることは可能です。)

一方無電解ニッケルメッキ無電解めっきはムラなく均一な膜厚でめっきすることができ、更に対象物の形状が複雑な場合でも均一な膜厚に仕上げることが可能です。

また、被めっき物が制限されるかどうかの違いも挙げられます。

電気を使って成膜する電気ニッケルメッキの場合は、被めっき物のめっき面は導体である必要がありますが、無電解ニッケルメッキは通電させないため、プラスチックやセラミックスといった絶縁体でも直接めっきすることができます。

その他にも、めっき後の熱処理や皮膜中のリン含有率による物性の違いなどがあります。

どのようなめっきを採用するか、お困りでしたら弊社までご相談ください。

ご要望や用途をお伺いし、最適なタイプをご提案いたします。

 

膜厚について

膜厚についてご紹介します。

無電解ニッケルメッキの膜厚はJIS規格によって規定されており、等級が7つに分けられています。

膜厚(厚さ)は製品の耐久性などに関わるため、非常に重要です。

膜厚は用途によって最小膜厚が異なりますので、オーダーされる際にご参考ください。

等級 最小膜厚 主な用途
1級 3μm はんだ付け
2級 5μm 防食性・はんだ付け
3級 10μm 防食性・耐摩耗性
4級 15μm
5級 20μm
6級 30μm
7級 50μm

※素地金属:鉄及び鉄合金、銅及び銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金

弊社では膜厚について、お客様としっかりとコミュニケーションをとり、ご要望と用途に合った最適な膜厚を確認し、めっきいたします。

どの程度の膜厚が必要なのか、といったご相談も承りますので、膜厚について何かお困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

無電解ニッケルメッキはEBINAXにお任せください

無電解ニッケルメッキについて、特徴や膜厚などについてご紹介しました。

弊社、EBINAXは部品の性能を向上させる機能めっきを得意としております。

今回ご紹介したもの以外にも、3LM→LDSや低反射めっき→黒色皮膜「スゴクロ」、放熱性を向上させる「スゴヒヱ」などの最先端の技術を有しており、お客様の様々なニーズにお応えいたします。

お客様の製品作りに課題がありましたら、弊社の技術で課題解決に協力いたします。

是非一度、お問い合わせください。

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