電磁波シールドめっきとは何ですか?
電磁波シールドめっきとは、電磁波障害を防止するためのめっき技術のことです。
1966年にG・A・ローディが無電解銅めっきを用いて電磁波シールドを行う研究を発表したのが最初といわれています。
電磁波による電子機器への障害
パソコンやスマートフォンの様な電子機器からは電磁波が発生しており、他の機器に障害や誤作動を引き起こす危険性があります。
特にペースメーカーや航空機の電気系統への障害は甚大な被害を生じるため社会問題にもなっています。
シールド対策が必要
電子機器の筐体(ケース)に使用されることが多いプラスチックは、不導体であるため電磁波を透過してしまいます。
そのため、電磁波を反射・吸収する部材で覆い、電磁波を透過させない様にする必要があります。
「めっき」なら軽量化が可能
導体である金属は、電磁波を反射・吸収することができるのですが、全て金属製にすると製品が重くなってしまうというデメリットが生じてしまいます。
そこで部材をめっき金属で覆うことで軽量化を図りつつ電磁波を遮蔽することができます。
例えば、スマートフォンやタブレットの様な携帯端末の部品やパソコンの筐体などに適用されています。
電子機器の筐体への電磁波シールドめっき
電磁波シールドめっきの特長
電磁波シールドめっきは、同じ電磁波シールド技術である金属板(板金、メタルキャップ)と比べ、低背化・小型化が可能です。
導電性プラスチックと比べシールド効果が高いという特長もあります。また、複雑形状に対しても均一にシールド被膜を形成することができます。
半導体モジュール(左)とそのめっきサンプル(右)