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燃料電池のセルとは?基本構成や用途、めっき加工についてご紹介

技術コラム #04

燃料電池のセルは、酸素と水素の化学反応によって電気を発生させるために必要不可欠なものです。

今回はセルがどのような構造になっているのか、どういった原理で発電するのかを徹底解説します。

また、なぜ一般普及に向けて燃料電池の開発が進められているのか、使用用途と併せてご紹介します。

 

燃料電池のセルは構成単位のこと

燃料電池のセルは、発電可能な最小単位のことです。

セル単独でも発電できますが、単独では出力が1V以下と低いため、積層または連結して「スタック」構造の形で発電装置として利用されます。

セルの電解質膜や電極、セパレーターなどに機能めっきを施すことで出力密度(体積に対する出力比)が向上し、燃料電池の性能向上(高出力化、小型化など)が期待されます。

 

酸素と水素で発電するセルの構造を徹底解説

セルは酸素と水素の化学反応によって発電します。

その構造や発電の原理について、詳しくご紹介します。

 

セルの構造

セルの構造や構成材料は、燃料電池の種類により異なりますが、一般的には外部回路で接続された一対の電極(燃料極・負極、酸素極・正極)で、電解質を挟み込むような構造となっています。

これらを挟み込み、セル同士の境界となる形で、セパレーターが存在します。

一般的な板状のセパレーターには、水素や酸素を供給する溝が形成されており、これらが混ざり合わないような隔壁としての役割もあります。

 

燃料電池 セル

 

発電の原理

燃料極(アノード)に送り込まれた水素は、水素イオンと電子に解離します。

ここで発生した電子が外部回路を通じて酸素極(カソード)へ移動することで、電流が発生します。

水素イオンは、酸素極(カソード)で酸素から生じた酸素イオンと結合することで水となります。

セルではこのような酸化還元反応が行われており、これらの反応効率が燃料電池の性能に影響します。

 

燃料電池 セル 発電の原理

※燃料電池のセルによる分類と使用用途※

 

燃料電池の発電原理は前述した通り、どの燃料電池でも共通していますが、電解質の種類により燃料電池の種類が分けられます。

代表的なものをいくつか紹介します。

 

燃料電池 セル 種類

 

■低温型
作動温度が低く小型化が可能だが、触媒が高価なため特殊用途、小型機器で利用される。

・アルカリ形(AFC)…宇宙・軍事用、潜水艦などの特殊用途
・固体高分子形(PEFC)…自動車、家庭用、携帯機器など
・リン酸形(PAFC)…オンサイト発電、分散型電源、工場やビルなど

■高温型
発電効率が高いが、作動温度が高いため大規模利用に用いられる。

・溶融塩形(MCFE)…発電所、分散型電源など
・固体酸化物形(SOFC)…発電所、小規模・分散型電源など

 

標準化への開発が進むエネルギー「燃料電池」の今後について

燃料電池は近年、環境に配慮した動力源として再度注目を集めています。

日本は世界に先駆けて燃料電池車や定置用燃料電池分野の商品化や燃料電池分野の特許数世界一(2010-2019年)など、技術面でも世界をリードしています。

社会的な普及に向けては、まだ様々な課題が存在しており、①技術的な課題解決や開発、②水素の安定供給が可能なインフラの整備、③低コスト化を解決していく必要があります。

また最近では、水電解による水素製造技術を燃料電池に応用する研究も進められており、SOFC(固体酸化物形燃料電池)の開発が進められる中で、水蒸気と二酸化炭素から水素など燃料をつくるSOEC(固体酸化物形電解セル)も注目されています。

弊社では、そのような燃料電池関係のめっき試作実績もございますので、性能向上・課題解決にぜひお役立てください。

 

SOFC向け、セパレーターへのAg、Ni-Co合金めっき

これらを駆動させると、発生した熱などにより、セパレーターに含まれる金属成分が拡散し、正極へ蒸着してしまう懸念があります。

この際に、セパレーターにめっき皮膜を形成することで、拡散防止層として働くことが確認されています。

弊社では、AgやNi、Ni-Co合金などのめっき技術を所有していますので、これらを成膜することでスタックの性能向上が期待できます。

 

燃料電池 セル セパレーター

 

セルのめっき加工はEBINAXにご相談ください

セルの概要や燃料電池の今後の動向について、そして弊社EBINAXの技術についてご紹介しました。

燃料電池のセルは発電源の最小単位であり、セル内部で生じる化学反応により発電されます。

セルの性能向上は燃料電池の作動効率に直結するため、セルの構成要素である電極、電解質、触媒、セパレーター等の開発は、今後もますます重要になってくるといえます。

弊社では電解質膜や電極、セパレーターのめっき処理経験がございます。

また他に、半導体の製造・検査装置に使用される部品へのめっきなど、長年培っためっき技術を保有しておりますので、燃料電池(セル)の性能向上や課題解決をご検討中の方はぜひご相談ください。

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