最先端R&Dで業界をリードする次世代表面処理のパイオニア

多孔質体へのめっき <コラム番外編>

技術コラム~番外編~

突然ですがクイズです!

下の写真はあるものの表面を、SEM(走査電子顕微鏡)で観察した写真なのですが、一体なんでしょうか?

 

<ヒント>
飲み物で、弊社が入居している羽田イノベーションシティのMETALISMでもご提供しています。中身は多孔質で、表面には油分(白く見える部分)があります。(電子顕微鏡なので、色はありません。)

 

・・・・・・・・・・

 

正解は…

コーヒー豆】でした!
そして実は、このコーヒー豆にもめっきができるのです。

 

しかし、『コーヒー豆へのめっき』は高い技術が必要です。
めっきが難しい理由は、大きく2つあります。

■1つ目:油分が多いため、しっかり除去する必要があります。油分が残ったままであると処理液が十分に浸透せず、めっきが析出しにくく、めっき皮膜の密着も弱くなってしまいます。

■2つ目:多孔質体なので、めっき処理液の液交換をきちんと行うことが大切です。処理液などが多孔質内に残ってしまうと、その影響でめっきが析出しにくく、シミやふくれなどが発生しやすくなります。

 

今回、弊社のノウハウを用いて、コーヒー豆の多孔質内にある油分を除去し、処理液への浸漬・洗浄・液交換を適切に行ったところ、ふくれやシミなどのない”メタルコーヒー豆”が完成しました。

 

さて、”メタルコーヒー豆”でコーヒーを淹れることはもちろんできませんが、めっき皮膜は金属なので導電性があります。では、本当に導電性はあるのでしょうか?スイッチとして使用できるのか、試しに豆電球を光らせる実験をしてみました。

 

・・・・・・・・・・

 

結果、豆電球は見事に光りました。

これが本当の”豆”電球です!笑

スイッチとして機能することで、めっき膜もしっかり成膜できていることがわかりました。

コーヒー豆 めっき

 

弊社は長年培っためっきノウハウにより、このような多孔質体にもめっきが可能な技術を持っております。

めっきで密着不良などが発生した場合は、付着した機械油などの油分除去や洗浄が不十分である可能性が高いです。特に多孔質体や複雑な形状をした素材では、洗浄が困難であり、より不良が発生しやすくなります。

多孔質体や複雑な形状品にめっきをご検討の方、洗浄不足が懸念される方は、ぜひ弊社までご相談ください。

「お問い合わせ」はこちら>>

 

※METALISMのラウンジでは、通常の方法にて「METAKISMオリジナルブレンド」コーヒーをご提供しております。

 

<<「技術コラム」一覧へ